天気

三寒四温とはいつ使う?意味や使い方、メカニズムについて解説します

皆さん、春頃になるとテレビなどで「三寒四温の一週間ですので、寒暖差にご注意ください」などというフレーズを聞いたことはありませんか?

この三寒四温とはどういう意味で、どう使うのだろう?と疑問をお持ちのあなたに「三寒四温とはいつ使う?意味や使い方、メカニズムについて解説します」と題して、解説していきたいと思います。

三寒四温とはいつ使うのか、その意味は?

三寒四温を使う時期は

・日本で使う場合は2月~3月

・朝鮮半島や中国北東部で使われる場合は冬(11月~2月ごろ)

なのですが、そうなると三寒四温の意味はそれぞれ違います

その意味は、

・中国や朝鮮半島で使われる意味は3日寒い日があり、4日暖かい日があるとそのままの意味(事実)

・日本では春先になり寒い日の中に暖かい日があり、寒暖差があるという意味

でそれぞれ使われています。

気象庁では

「冬期に3日間くらい寒い日が続き、次の4日間くらい暖かく、これが繰り返されること。中国北部、朝鮮半島などに顕著な現象。」

引用元:気象庁

とされており、もとは朝鮮半島や中国北東部で使われている言葉なのです。

では、なぜ時期や意味が違うのかというところを詳しく説明しますと、シベリア高気圧と呼ばれる高気圧からの寒気の風の強弱により、朝鮮半島や中国北東部では3日寒い日が続き、その後4日温かい日が続くという独特の気候のため「三寒四温」と使われていました。

一方、日本では三寒四温のような周期はなく、「春先に寒暖の差が出る時期の気温の周期的変化」を指して、三寒四温の季節と使うことが日常化してきたんですね。

つまり、寒い日よりも温かい日が多くなり、「だんだん春に近付いてくるよ」という意味で使われていることが多いのです。

もしかするとこれから三寒四温の意味自体も日本語ではそのような使い方に変わってくるかもしれません。

しかし、私は中国人の友人が2人いますが、「三寒四温」という言葉を知っているか聞いてみたところ、2人とも知りませんでした

もしかすると、昔に使われていた言葉のため、今は使われていないのかもしれません

日本の三寒四温のメカニズムは?

それでは日本流の三寒四温のメカニズムを解説しておきます。

まず、先程も記述しましたが日本では「春先に寒暖の差が出る時期の気温の周期的変化を指す」と言いましたよね。

では、この寒暖はどこから来ているのかというと、冬の移動性高気圧と低気圧によるものになります。

①移動性高気圧が西にあり低気圧が東にある場合、いわゆる「西高東低の気圧配置」になります。

こうなると、等圧線が縦になり、等圧線に沿ったような形で北からのシベリア寒気団の寒い空気を運ぶように風が吹き、気温が下がります。

②一方で、移動性高気圧が西から日本を覆うように通り過ぎる際には暖かくなります。

③またその移動性高気圧の西に控える低気圧により天気が崩れます。

①その後また西高東低の気圧配置になって・・・

といった天気を短期間に繰り返すのが春先にかけての天気の特徴です。

そのため、暖かい日と寒い日を繰り返していき、やがて春になっていくということなんですね。

三寒四温の反対語ってあるの?

では逆に日本で使われる三寒四温の逆で「三温四寒」もしくは「四寒三温」など、寒い日が多くなり、これから冬を迎えるというようなの言葉はあるのでしょうか。

答えは「ない」です。

ただ、秋が深まっていく際に使われる表現に「一雨一度(ひとあめいちど)」という言葉があります。

これは、秋の11月頃は雨が1回降る度に冷たい空気が流れ込み、気温が少し下がる気象を指す言葉なのです。

ですので、三寒四温の反対語ではありませんが、日本で使われている三寒四温の「だんだん暖かくなる」意味からいうと逆の意味の言葉となりますね。

まとめ

さて、ここまで「三寒四温とはいつ使う?意味や使い方、メカニズムについて」と題して、解説して来ましたがいかがだったでしょうか。

内容をまとめておきますと、

ここにタイトルを入力

・三寒四温の時期や意味は

①中国では11月から2月の冬の時期に使われ、3日寒い日が続くと4日暖かい日ががあるというそのままの気象の現象を指す

②日本では2月から3月の春先に使われ、寒い日の中に暖かい日があり寒暖差があるという意味を指すが実際には三寒四温の周期はない

・寒暖差における日本の気象のメカニズムは

移動性高気圧による「西高東低の冬型気圧配置」→「移動性高気圧に覆われることによる気温の上昇」→「天気の崩れ」→「西高東低の・・・」を繰り返すことによる季節の変化によるもの

・三寒四温に反対語は無いが、だんだん寒くなる意味の「一雨一度」がある

ということでしたね?

春先になると使われる三寒四温ですがいつ使うのか、どのような意味なのかが分かったと思いますので、何かの折に話題に出たときに使ってみてはいかがでしょうか。