失敗しない ソーシャル分析

vol.6 分析方法 – キャンペーン効果測定

今回は多くの方が実施されておりますキャンペーン効果測定になります。
主に、広告代理店様、事業会社様など様々な業界の方が活用される分析方法です。

1. キャンペーン効果測定とは

広告・PR・キャンペーンなどの施策によって発生した投稿の内容を調査し、実施した施策が効果的だったかを調査する方法です。

2. 調査方法

1. 調査対象のキャンペーン内容の把握。
調査を行う前に下記の内容の把握を行います。
・キャンペーンの目的・内容
・キャンペーンの実施期間
・広告・PR・キャンペーンなどの施策を行う媒体
・キャンペーン対象となっている商品・サービス

2. キャンペーンの内容を把握した上でこの施策の成功の有無が判断できる指標を明確化します。
例)
・キャンペーン期間中の日別投稿推移
・キャンペーン前後の投稿量の比較
・キャンペーン前後のポジティブ/ネガティブの割合
・前回のキャンペーンのリーチ数との比較
・競合他社のキャンペーン施策との比較(投稿量など)

3. 調査対象期間
“2.” で決めた内容により調査対象期間を決めます。
例)キャンペーン実施期間:2週間

4. 調査対象メディアの選定
キャンペーン内容により、キャンペーンの内容が投稿されるそうな媒体を想定し、調査対象メディアとして選定します。



5. 抽出キーワードの選定
キャンペーンの投稿だとわかる指名キーワード(ハッシュタグなど)があれば、対象のキーワードとして採用します。
その他、キャンペーンの内容から想定されるものを一旦抽出。
分析の結果をみて、不要な投稿ばかり取得してしまうキーワードがあれば対象から削除します。

6. ソーシャル分析
“2.”で明確にした指標を確認し、ソーシャル分析を行います。
例)
時系列での投稿数推移と、投稿が伸びた要因を期間に応じて、週別、または日別で分析します。
ポジ・ネガ・中立の件数割合と、各キーワード別のポジ・ネガの件数を分析いたします。



vol.5 分析方法 – リスク対策(リスクモニタリング)

今回はリスク対策についてです。
ソーシャル分析サービスやリスクモニタリングツールを使って実施しします。

1. リスクモニタリングの必要性

現在、ソーシャルメディアの情報の拡散力は企業等にとって伝えたい情報を早く広く伝えられるというメリットがあります。
一方で、情報漏洩、クレームなどの書き込みが一気に拡散し、”炎上” が発生するリスクも抱えております。
ソーシャルメディアの炎上により、

 ・企業やブランドに対するイメージの毀損
 ・営業・採用活動の悪影響
 ・株価の下落

など、危機に直面した企業も実際に存在しております。

このようなソーシャルメディア上のリスクを早期に察知するために、モニタリングの強化を実施される企業が増えております。

2. ツールを導入するメリット

膨大な投稿が日々行われているソーシャルメディア上の監視を目視で行うこは限界があります。
また、確認のスピードや確認漏れ、など、目視する人のクオリティーの格差が発生する可能性があります。

監視ツールを導入することで、常時監視が可能となりとともに、目視で発生していた問題が解決できます。
また、ツールによってはアラート機能があり、指定した閾値を超えた場合、指定したメールアドレスに連絡をしてくれるので 確認作業を楽にしてくれます。

3. 設定方法

下記の順番で設定内容を検討します。

 1. 何を監視するのかを明確にする(会社、商品・サービスなど)
 2. 目的に応じたワードを探す
 3. 調査すべき適切なメディアを選ぶ
 4. 抽出したキーワードにてネガティブな投稿で使用されているワードを洗い出し、モニタリングに使用するキーワードを更新する
 5. 運用開始後、定期的に調査ワードのブラッシュアップ

ソーシャルメディア上での炎上を完全に防ぐことは難しいことです。
炎上が発生することを前提として監視を行うのが良いかと思います。

vol.4 分析方法 – 0次分析

今回から具体的な分析方法についてご説明します。
初回は0次分析です。メディアプランニングを行っている方が良く利用する手法です。

1. 0次分析とは

メディアプランニングの初期段階において、状況を確認し、課題を抽出するための分析を「0次分析」といいます。
課題を見つけることにより、思い込みではなく、現状の事実を表しているので、戦略の裏付のデータとして利用できます。

2. 0次分析の調査方法


2-1. マーケティング計画を確認し、プランの目的を把握
 プランの目的:
 ・新商品を販売
 ・現状の商品の販売促進
 ・認知度を向上させる
  など

2-2. マーケティング計画の確認後、適切な分析軸を明確化します。
ここでは調査内容によって必要な分析軸を決めていきます。
分析軸は複数あり、調査内容によって必要な軸を選択し、必要によってはそれらを比較します。

 分析軸の例
 ・投稿量はどれくらいあるのか?
  - 競合商品と比較するとどのくらい差があるのか
  - 季節による投稿量の比較
 ・自社商品・サービスの話題が盛り上がる時期の有無の確認
 ・他社と比較してポジティブ量、ネガティブ量の差はあるのか
  など

2-3. 調査に適切な媒体を明確にします。
投稿量の多い、Twitterデータが適しています。調査対象によっては業界に特化した媒体も検討してください。

2-4. 比較するデータの明確化を行います。
調査内容により必要な比較対象を選びます。

 主な比較対象
 ・「期間比較」:キャンペーン実施前後比較での効果測定
 ・「競合比較」:競合との比較によるポジション把握
 ・「話題比較」:話題内容の定量化による特徴の明確化

 これを組み合わせることにより、いろいろな角度から調査を行うことができます。

以上の内容を分析することにより、現状を確認し、強み弱みを把握してプロモーションを実施する裏付けデータとして活用します。

vol.3 PPDACサイクル D、A、Cとは

今回は「PPDACサイクル」の残りの「D、A、C」についてです。
Dは「Data データの収集」、Aは「Analytics データ分析」、Cは「Conclusion 結論と新たな課題の設定」になります。

3. Data データの収集

基本的には“Plan”で設定した内容を考慮してデータを収を行います。

3-1. どのデータ(媒体)で調査を行うのか
ソーシャルメディア(媒体)はそれぞれユーザー層が異なるため、どのような分析にどのようなソーシャルメディアが適しているかを考慮し、選択する必要があります。

・Twitter
 特徴:他のソーシャルメディアよりも投稿量が多い
 用途:キャンペーンの効果測定や若年層のリスニング調査に活用。
    ソーシャル分析では中心的な分析対象となる媒体。

・ブログ
 特徴:感想や購入理由などといった深い情報を書きやすい媒体。
    ジャンルを指定しているブログもあるので、特化したジャンルの情報が取れる。
 用途:消費者の本音や購買プロセスの確認、キャンペーンの効果測定などに活用。

・掲示板
 特徴:投稿数は少ないが、商品、サービスの利用者などが知りたい事や疑問点の書き込みがよく見られる。
    関係のない話が少ない傾向にあるため、調べやすい。
    一部の掲示板では誹謗中傷が書き込まれることが頻繁にあり、炎上が発生しやすいものもある。
 用途:企業と商品、サービスの利用者の認識の違いを見つけるのに向いている。
    また、誹謗中傷が多いサイトでは、コアユーザの評価やリスクモニタリングに活用。

・ニュースサイト
 特徴:記事1つの情報拡散力が他媒体よりも強い傾向
 用途:投稿量増加の起点を調査に向いている。


   

3-2. どのようなキーワードでデータを取得するのか
候補となるキーワードは、商品/サービスのの公式名称だけではありません。
非公式な名称や略称など「消費者(ユーザー)がその商品/サービスを指すときに使いそうな単語」も対象キーワードに設定する必要があります。

 1. 正式/略称、英語/片仮名/平仮名表記など、
  ユーザーに呼ばれそうなキーワードをOR条件で設定して、
  幅広く検索にヒットさせる
 2. 上記で検索した結果の投稿内容を見て、関係ない投稿が含まれ
  ていないかをチェックする。
 3. 関係ないものがあれば除外する。

3-3. 調査対象の期間
直近の期間するのか、前年同月比で比較するのか、調査目的に合わせ、調査期間を設定します。


4. Analytics データ分析

ソーシャル分析の「分析」とは「比べること」です。
同一条件で比べるものを用意し、違いや関係を見ていきます。
何を比べるか(分析方法)は、2つのP、Problem、Planに設定した内容に沿って、検討を行います。

まずは取得したデータの全体の傾向を俯瞰してチェックします。
そのあとは調査目的にによって異なりますが、下記の視点から有効な比較方法を選択し、組み合わせて調査を行います。

「期間による比較」⇒ 時間経過による変化をみる
  e.g. キャンペーン前後の比較

「競合との比較」⇒ 複数の指標を競合と比較
  e.g. 競合と投稿数を比較

「話題の比較」⇒ 話題内容の定量化による特徴の明確化
  e.g. 肯定/否定の話題となったものは何で、どのくらいの数があったか

「属性での比較」⇒ 自社商品(サービス)に反応しているユーザの把握
  e.g. 自社商品に関する投稿者は映画の話題が多い

※組み合わせの例
 「競合との比較」と「期間による比較」
 ある一定の期間で競合と比較してどちらが話題になっていたか → 世の中の注目度をみる


5. Conclusion 結論と新たな課題の設定

4. Analytics データ分析の結果に基づいて、最初に考えた問題点に対しての答え(結論)を導き出します。
この時点で問題に対する結論が出れば、分析は終了となります。
もし、問題に対して結論がでない場合はもう一度、調査を行う必要があるので、新たな課題の設定が必要となります。
再度、PPDACのPに立ち戻って新たな課題に対する分析を行ないます。


vol.4では具体的な調査方法について説明します。


vol.2 PPDACサイクル 2つのPとは

 今回は 「PPDACサイクル」 の 「2つのP」 についてです。
 2つのPは「Problem 問題の発見・課題の設定」「Plan 調査の計画・仮説の設定」 になります。

1. Problem 問題の発見・課題の設定

 1つ目のPで必ず実施すべきことは、「何を知りたいのか」(問題・課題)を整理し、明確化することです。
このプロセスを実施せず、いきなり分析を開始すると失敗してしまいます。
ここは分析プランの最初の作業はPPDCAサイクルの中で最も重要なポイントです。


検討方法
知りたいことの整理、明確化を行うには「マーケティング要素」か「モニタリング要素」のどちらかに該当するかを考えます。
マーケティング要素に含まれる内容の場合、更に5つのどの項目に該当するのかを考えると整理しやすいと思います。

例)自社商品がどのように思われているのか分析したい 場合
  ・自社商品がどのように思われているのか分析したい
        ↓
  ・マーケティング要素の「商品企画」に該当
        ↓
  ・分析結果を商品企画に生かせるデータが欲しい


2. Plan 調査の計画・仮説の設定

 2つ目のPでは”Probrem”で明確になった「何を知りたいのか」(問題・課題)に対してどのような調査を行うかを検討します。
 「何を知りたいのか」の内容を深堀して、「どのような切り口で調査を行うか」、「どのような指標で問題の重要度を測るのか」、また、その変動に影響を与える指標の洗い出しを行います。
 

検討方法
1.どのような切り口で調査を行うか ⇒ 定量と定性の視点で考えるとわかりやすいです。
 ・定量の視点
  - 起きていることを数字的な内容を見る。「どのくらい」という数量に着目します。

 ・定性の視点
  - 起きていることの性質を見る。「なぜ」「どのように」という点に着目します。

2.「どのような指標で問題の重要度を測るのか」⇒分析指標を具体化する
 ・定量的な分析指標
  - 投稿量はどれくらいあるか(競合商品と比較するとどれくらい差があるのか)? ⇒ 話題件数を競合と比較
  - 自社商品/サービスの話題が盛り上がる時期があるか(季節変動要因の有無)? ⇒ 話題量の年間トレンドを調べる

 ・定性的な分析指標
  - 利用シーンはどのようなものか?
  - 利用シーンにおける競合との違いを調べる
  - 商品に対してどのような興味を持っているか
  - 商品の構成要素(パッケージ、味、価格、大きさなど)

例)課題:ソーシャル情報から商品企画に生かせるデータを調査したい。

  具体的な検討方法の表



vol.1 事前準備が最も大事

Twitterをはじめとしたソーシャルデータを活用したマーケティングを行っている企業様が多くなり、重要な指標として認識されております。
しかし、1回やったみたけど、うまくいかなかった。という声もよく聞きます。
どのようにしたら失敗しないソーシャル分析ができるかを連載で説明してまいります。

事前準備が最も大事!

「事前準備」とは 「 何が問題・課題で何を知りたいのか」 という目的 を明確にすることです。
実は、調査が失敗するのはこの部分を明確化せず、はっきりしないまま、なんとなく分析をはじめているのが大半の原因です。調査は目的に応じてデータを収集するところから始まりますが、この点が間違っていたら、いくら分析しても期待している結果を導き出すことは難しいです。
では、「事前準備」を行ない、失敗しない分析を行うにはどうしたらよいのでしょうか。

「PPDACサイクル」がおすすめ!

「PPDACサイクル」 を活用してみてはいかがでしょうか。
PPDAC とは問題解決のためのフレームワークです。

 ・Problem(問題の発見・課題の設定)
 ・Plan(調査の計画・仮説の設定)
 ・Data(データの収集)
 ・Analysis(データの分析)
 ・Conclusion(結論)

と各段階に分けて考えます。
問題解決の計画を立て、客観的な情報やデータの取得・分析を通して検討し、新たな課題やアイディアに取り組むことができます。



失敗しないソーシャル分析を行うには最初の“Problem”、”Plan”が大変重要なのプロセスになります。

次回はこの2つのPについてご説明いたします。